足場での作業は高所作業が多く、わずかな不備や確認不足が大事故につながる危険性があります。本記事では、実際の現場で起きた足場に関するヒヤリハット事例を紹介し、それぞれの原因と対策を詳しく解説します。安全対策をしっかりと行い、事故を未然に防ぐためのポイントを学びましょう。
ヒヤリハット事例から学ぶ4つの教訓
足場に関するヒヤリハット事例や対策について、さらにいくつかのケースを挙げて詳しく説明します。
足場の接続部の緩みによるヒヤリハット
ヒヤリハット事例の現場状況
高層ビルの外壁工事が行われている現場で、足場を使用して作業を進めていた際、足場の接続部分の一部に緩みが見られる箇所が発見されました。作業員がその部分を通過しようとした際、足場が少し沈み込み、予期せぬ揺れが発生しました。突然の揺れに作業員は驚いてしまい、体勢を崩しそうになりましたが、すぐに手すりをしっかりと掴むことで転倒や落下を免れることができました。危険な状況ではあったものの、幸いにも大事には至らず、作業員は無事に作業を続けることができましたが、足場の緩みが重大な事故につながる可能性があることを再認識させる出来事となりました。
ヒヤリハット事例の原因
足場の接続部に適切な締め付けが行われていなかったため、時間が経つにつれて緩みが生じていた。設置後の定期的な確認が不足していたことが原因です。
ヒヤリハット事例の対策
- 足場の接続部は設置時にしっかりと固定し、特に高所作業の場合は定期的な点検を行う必要があります。
- 作業前には必ず接続部や足場の安全性を確認するルールを徹底し、作業員同士で確認し合う体制を作ることが重要です。
ヒヤリハット事例にまつわる法的規定
1 事業者は事業者は、高さが二メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない。
2 事業者は、前項の規定により作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に要求性能墜落制止用器具を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
労働安全衛生規則第518条は、労働者の安全を守るために、特に高所作業に関連する足場の点検や管理について定めた重要な規則です。この規則では、事業者またはその代理人が足場の設置後、使用開始前、および異常が発見された場合に点検を行う義務があることを明確にしています。足場は建設現場などで多く使用され、高所での作業が伴うことが多いため、構造的な不具合や設置ミスが作業員の命に関わる重大な事故を引き起こす可能性があります。第518条は、これらのリスクを軽減するために、足場の安全性を確保するための定期点検や異常発見時の迅速な対応を求めています。
強風による足場の倒壊危機によるヒヤリハット
ヒヤリハット事例の現場状況
建設現場で足場の設置作業が進行していた際、突然強風が吹き始めました。設置が完了したばかりの足場は、強風の影響で激しく揺れ、やがて不安定な状態となり、大きく傾きかけました。この状況は、作業を進めていた従業員にとって非常に危険なものとなりましたが、幸いなことに、作業員の一人が迅速に異常を察知しました。彼は足場の揺れに気付き、倒壊のリスクを即座に認識し、作業の中断を周囲に指示しました。その結果、全員が安全に避難することができ、重大な事故が発生する前に現場を退避することができました。
ヒヤリハット事例の原因
強風の影響を考慮せず、十分な補強が行われないまま足場の設置が進められていたことが原因です。また、天候の変化に対する備えが不十分でした。
ヒヤリハット事例の対策
- 足場の設置前には、天候条件や強風の影響を考慮した設計と補強を行う必要があります。
- 強風が予想される場合には、作業を中止し、足場を補強するか、使用を制限する措置を取ることが重要です。
- 天候の変化に対する警戒体制を強化し、現場監督が適切な判断を下せる体制を整えることが必要です。
ヒヤリハット事例にまつわる法的規定
労働安全衛生規則では、天候が悪化する場合(特に強風や豪雨など)には、作業の一時停止や安全対策の強化を求めています。特に、足場の使用中や設置中の強風時には特別な注意が必要です。
足場板の劣化によるヒヤリハット
ヒヤリハット事例の現場状況
長期間使用されていた足場板に作業員が乗った際、足場板の一部が経年劣化により著しく弱っており、踏み抜いてしまう寸前でした。幸いにも作業員は足場板の異常にすぐに気付き、踏み込む前に体勢を立て直して踏み抜きを回避することができましたが、もし気付くのが遅れていたら落下の危険が非常に高かった状況でした。この事例は、定期的な点検や交換が足場の安全性を保つ上でいかに重要かを示すものです。
ヒヤリハット事例の原因
足場板が古くなっており、経年劣化によって強度が落ちていたことが原因です。足場板の定期点検や交換が行われていなかったため、劣化部分が見逃されていました。
ヒヤリハット事例の対策
- 足場板は定期的に交換し、特に長期間使用する場合は耐久性や劣化状況を確認する必要があります。
- 作業前に必ず足場板の状態を点検し、少しでも不安があれば即座に交換する体制を整えるべきです。
- 足場板に関しても定期的なメンテナンスを行い、必要な場合は補修や新しいものに交換します。
ヒヤリハット事例にまつわる法的規定
労働安全衛生規則では、足場板の点検と補修を定期的に行うことが義務付けられており、使用する前に異常がないかを確認することが求められています。
作業員の墜落防止措置の不足によるヒヤリハット
ヒヤリハット事例の現場状況
外壁の作業中、作業員が足場を移動している際、手すりが設置されていない部分で足を滑らせてしまいました。その瞬間、作業員はバランスを崩してしまい、一歩間違えば墜落の恐れがありました。しかし、幸運にも作業員はとっさに体勢を立て直し、大事には至りませんでした。それでも、このような場面では、手すりのない足場の危険性が浮き彫りとなり、改めて墜落防止対策の重要性を痛感させられる出来事となりました。
ヒヤリハット事例の原因
手すりやガードレールが設置されていない箇所で作業が行われていたため、墜落防止措置が不十分でした。
ヒヤリハット事例の対策
- すべての足場には手すりやガードレールを設置し、墜落防止措置を徹底することが必要です。
- 作業員が使用する安全帯(ハーネス)を必ず装着させ、特に高所作業では安全装置の使用を徹底させます。
- 手すりやガードレールのない足場での作業は禁止し、必ず防護措置を講じた後に作業を再開することが求められます。
ヒヤリハット事例にまつわる法的規定
労働安全衛生法では、作業場の墜落防止措置として手すりやガードレールの設置が義務付けられており、高所作業時には安全帯の使用も求められています。
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